新年ごあいさつ

2019.01.09

新年あけましておめでとうございます。

と言うには少し日がたちすぎてしまいました。忙しくしている間に松の内も過ぎ、七草粥をいただく人日(じんじつ)の節句も過ぎ、11日の鏡開きが控えております。時は待ってはくれず、めじろおしで季節の行事がやって参りますね。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて皆様はどのようにお正月を過ごされましたでしょうか。
以前、ヨーロッパのとある国でお正月を迎えた時のこと、大晦日には爆竹の音と人々が騒ぐ声が響き、翌朝、清々しい新年の空気を感じようと散歩にでかけると、人が集まり騒いでいた川添いには、空き缶やボトルが散乱。ごみ収集車が出動し、おそらく移民とお見受けする人々が回収作業にあたっていました。「今後は死ぬまでお正月は日本で迎えよう」と固く誓った出来事でした。

もちろんそんなお国も、クリスマスには商店という商店が閉まり、町には人がまばらで、おそらくは家族で静かな祈りの時間を持っているのだろうと思いましたので、これはもう文化の違いなわけで、どちらが良い悪いの話ではないでしょう。
ですが、日本で育った私には、大掃除をして家中を清め、年神様をお迎えするのだという習慣が染みついております。新年というのは、清らかに、すべてが新しくなるような、そんな心地がするものであってほしいと願うのは、もはや本能的なものになっているのでしょう。


東慶寺では、新年を迎える前に、お墓の花入れや垣根など、竹が使われている箇所はすべて青竹にすげ替え、内も外もできる限りの掃除をし、気持ちよく年神様においでいただけるよう、お飾りなどもして床の間などをしつらえます。そういった雰囲気の中、本年最初のおやこ論語塾を6日に開催させていただきました。
おやつの時間には特別に「お雑煮」をお出ししました。少し珍しいかも?と、私の生まれ故郷の関西の白味噌のお雑煮にしましたら、召し上がった事が無いという方が多く驚きましたが、考えてみれば私自身も、他地域のお雑煮には馴染みがないので当然の事なのでした。

毎月論語塾では、子ども達に少しでも日本の季節の事に触れていただきたいと、床の間のしつらえや、お出しするおやつなどを工夫してみたりしますが、如何に日本に季節の行事が多いことか、改めて思い知らされ、こちらも勉強になります。
今回も、住職が床の間に飾ってある鏡餅やお軸などの説明をさせていただき、安岡先生も、ご自身のお正月の思い出や、様々な事のいわれなどを教えてくださってから、論語を皆で素読し、学びました。


季節の行事は、もちろんその年には1度しか巡ってこないわけですが、それを毎年毎年続けていると、それがいつしか習慣となり、身についてゆくのだという事を、安岡先生もおっしゃいました。
論語塾には1歳や2歳のお子様も参加してくださっていますが、この子たちが大きくなる時には、お寺での経験がもはや習慣のようになっているのかな…と。それは少し心躍る嬉しい事だな…と、私たちの楽しみにもなっております。

最後にお知らせですが、、、
本年より、白蓮舎では新たな試みとして、ひと月のうち、写経の週と茶店の週を設けました。良い環境で、好きな時間におこしいただき写経をしていただければという事と、東慶寺には腰を下ろして休める場所がほとんどありませんので、お茶でも飲んでゆっくりしていただければと、普段開放していなかった白蓮舎を開放する事に致しました。

2月10日には、昨年も開催しました「涅槃図お絵解き講座」を開催し、お釈迦様の一生についてを皆さまにお知りいただければと思っております。
売店の商品大幅入れ替えリニューアルに、2月からの宝蔵での蒔絵展(また詳しくはご案内致します)。季節の行事に負けずと、我々のやるべきこともめじろおしなのでした…。

1月も2月もあっという間に過ぎてゆきそうですが、皆さまもどうか体調崩さぬよう、しっかりと日々の事に向き合いつつお元気でお過ごしくださいませ。