ブッダガヤ・カディプロジェクト
2月5日から14日まで、インドを家族(和尚・私・息子インドで7歳誕生日)で旅してきました。
今回の旅は、インドが初めての和尚が、ブッダガヤのお釈迦様悟りの地などを参拝するのはもちろんの事、毎年東慶寺でも展示会を開催していただいているニマイニタイさんの活動を実際にこの目で拝見するのも大きな目的でした。
ニマイニタイ代表の廣中桃子さんとは、かれこれ十年来の仲で、インドの最貧州といわれるブッダガヤ・ハティヤール村に住む女性の方たちの就業支援を続けておられる事はもちろん、インドの布で作られた魅力的な洋服や小物類などを製作されている事から、東慶寺でも多くの方に知っていただきたいと展覧会を重ねて参りました。また、売店で販売する様々なものも作っていただいております。
廣中さんが拠点としているブッダガヤのハティヤール村に、【カディプロジェクト】と題し、女性の就業施設を作る計画が持ち上がっていましたが、昨年、その施設(カディセンター)が開設されましたので、是非見学させていただきたく、お邪魔してまいりました。
レンガ、土壁、牛糞、草の屋根。自然素材でできた村の家々は、どこか茶室のような雰囲気さえ漂い、懐かしいような雰囲気漂う素朴な村で、いっぺんに好感を抱きました。
家々を抜けて少し歩いたところに生える大きな菩提樹をシンボルとして、その施設は建てられていました。
女性たちが好きな時間にやってきては糸を紡ぎ、紡いだ分だけ買い取ってもらえるという、とてもシンプルですが、村の女性たちの立場や状況がきちんと考えられた働く場所。
赤ちゃんを連れておっぱいをあげながら糸車をまわす女性もいました。
この施設ができるまでのあらましを、廣中さんから色々と聞いて知っていたものの、それは想像でしかありませんでした。
実際にその地を訪れて色々と見て、聞いてみると、そのご苦労や努力は筆舌に尽くしがたく、和尚も私も、比べるものではないのですが、マハーボディー寺院への参拝よりも、彼女の今現在や来し方に深く心を動かされずにはいられませんでした。
息子が村の子供たちとすぐ仲良くなり、仔羊の抱き方を教えてもらったり、遠くまでかけっこをしたりする姿。
立派な菩提樹、新しいカディセンター、素朴な家々、見事に糸車を力強くまわす女性、まだ訓練中の女性、、、放し飼いの鶏や山羊たち、、、
全てが美しい思い出として心を温め続けてくれています。
そして、そんなカディセンターで女性たちが紡いだ糸が使われたカディコットンタオルが、東慶寺の売店にもたくさん届いております。
タオルや手拭きとして使うのにも最適。
私どもは庫裏の台所で愛用しておりますが、インドのカディ、とても乾きやすく食器へのあたりも良く、吸水力も素晴らしく、見た目も素敵で台所を楽しく明るくしてくれて、言うことなし!です。これまで、さまざまなリネンやさらしなどを使ってきましたが、もうこれ一筋。迷いません。
私は何か、支援だからといって納得のいかないものにお金を払ってまで…というのは違うと思っています。それでは支援される側も育たないし、技術の向上も無いでしょう。
その物自体が素晴らしく、実はそれを買えば女性たちの支援にも繋がっているという背景がある事が素晴らしいのだと思っています。
是非皆さまも、お宅で様々に使ってみてください。
インド独立の象徴ともいえる、マハトマ・ガンディーが糸を紡ぐ姿。その姿は今にも受け継がれています。
一枚のカディコットンタオルに、このブログだけでも書ききれないくらいに様々なストーリーが織り込まれています。